ハラル・ジャパン協会 TOP >  ハラルニュース >  月間千人超!ムスリムが訪れる和牛しゃぶしゃぶの聖地「花咲かじいさん(HANASAKA JI-SAN)」

月間千人超!ムスリムが訪れる和牛しゃぶしゃぶの聖地「花咲かじいさん(HANASAKA JI-SAN)」

渋谷区桜丘町の創作和食「花咲かじいさん(HANASAKA JI-SAN)」はJR渋谷駅の南口から徒歩1分というアクセス抜群の場所にある、東京で唯一ハラルビーフのしゃぶしゃぶを提供しているレストランです。



「花咲かじいさん(HANASAKA JI-SAN)」



30年以上の歴史があるお店では、和牛のステーキやしゃぶしゃぶ、すき焼き、寿司などの和食を中心としたメニューと地酒を楽しむことができます。ムスリムの方にも美味しい日本の料理を食べていただきたいという思いから、6年以上前よりハラルの和食メニューを提供しています。その長年の実績もあり、月平均800人、昨年の12月は1,000人以上のムスリムの観光客が来店されています。

口コミではしゃぶしゃぶが美味しいと日本人からも評判で、「和牛」を使用した和食を目当てにムスリムの来店も年々増加しています。ハラルメニューを開始した当初は、月に1組のムスリムも来なかったようですがなぜ、ここまで流行るようになったのでしょうか。その秘密も含め取材をしてきました。

 

ハラルメニューをはじめたきっかけ

「花咲かじいさん」代表の小山さまは、訪日したムスリムが和食をたべたくてもハラルでないから「食べられるものがない」という問題を知り合いのマレーシアハラルコーポレーションの方から聞いて知ったそうです。今でこそ手軽にハラルの醤油もみりんも手にはいりますが、お寿司に使う酢にしても成分的に使えないものが和食には多いのです。さらに日本に来たからには「和牛」が食べたいムスリムが多いので、ハラルビーフを取り扱いできないかというオファーがきて、考えた末にハラルのしゃぶしゃぶとすき焼きをはじめることにしたそうです。

創作和食 HANASAKA JI-SAN  代表: 小山数雄さん



当初は、ハラルメニューを注文する人は誰もいませんでしたが、ハラル専用の食器や鍋を全て揃えてしまったのでやめずに継続していたそうです。

 

品質管理へのこだわり

「花咲かじいさん」は、マレーシアハラルコーポレーション(株)のローカルハラル認証を日本で一番最初に取得したお店です。ローカルハラル認証は、豚由来の成分が一切入らないなどのイスラム教の戒律の基本は守りながらも、お酒は提供可能など日本の実情に合せてローカライズされた部分認証です。
しゃぶしゃぶの肉は宮崎県産のハラルビーフを使用していますが、調味料やアルコール類等ムスリムの方が禁止されている食材は一切使用していません。

また、提供する鍋や食器もハラルメニュー専用のものを使用し、食材保管もハラル専用の冷凍庫と冷蔵庫を使用しています。


 

ムスリムの反応と試行錯誤のメニュー

ハラルの和食を提供するにあたっての試食会では、マレーシア大使館やインドネシア大使館のムスリムより「味がない」「もっと辛いほうが良い」という反応が多かったそうです。出汁をきかせて素材の味を生かすのが和食の基本ですが、和食に慣れ親しんでいない方にとっては無味に感じるのかもしれません。そこで味は濃いめで辛く調節できるように、しゃぶしゃぶのつけだれは辛みが引き立つ特製かつおだれを用意し、横には一味や青唐辛子などを置き「ピリッ」とスパイシーなムスリム好みの味に近づけたそうです。

また、味以外にもさまざまな問題がありました。はじめは煮物・揚げ物・焼き物がついたハラル御前を提供していましたが、なぜか煮物だけがいつも残っていたそうです。さすがに10人中10人が残すのを見て理由を聞いたところ、なんと「野菜の飾り切り」が原因だったそうです。日本人から見れば、見た目の美しい花人参であってもムスリムにとっては、人の手が多くふれたものだから食べたくないという感覚があります。そういった経緯もあり、煮物をやめてホタテとエビのサラダにメニューを変更しました。それ以降、残す人がいなくなったそうです。

ハラル御前¥4,500(刺身・天ぷら・シーフードサラダ・焼き魚と卵焼き・宮崎牛しゃぶしゃぶ・野菜)



人気のハラル御前は4,500円。ハラルしゃぶしゃぶのコースは8,000円から18,000円まであり、1万円前後のコースを注文される方が多いとのことです。ハラルの和牛、さらに本鮪入りのハラルのお寿司などがつくので高額になりますが、質と味が良いと評判で接待に使う人も増えているそうです。

また、お酒を飲まないムスリムたちの間で、このようなノンアルコール飲料も人気があるそうです。

月桂冠NEWフリー(清涼飲料水)



瓶だけみたらまさしく日本酒ですが、こちらはアルコール分「0.00%」・カロリー「0kcal」・糖質「0g」の全て「ゼロ」という日本酒テイストの清涼飲料水です。お酒を飲む人にとっては微妙な味かもしれませんが、日本酒らしい香りや味、飲む雰囲気を味わうことができます。お酒は宗教的にタブーで甘いものが好きなムスリムの嗜好にも合います。アルコール0.00%でお酒の風味を実現させる「高度な技術」と「健康志向」を併せ持つ日本の飲み物という意味でも人気があるようです。ほかにノンアルコールのワインやビールなどもメニューにあります。

 

SNSで海外へ宣伝し多くのファンをつくる

ハラル和牛のステーキ



「花咲かじいさん」では新メニューができたら、SNSでマレーシア・インドネシア・シンガポールに向けて宣伝をしてます。例えばハラルビーフを使用した和牛ステーキのFacebook投稿では約40万以上のアクセスがあり、いいね!は2.8万件もあります。

英語で海外へ発信するのはもちろん効果的ですが、料理の動画や来店されたムスリムの写真なども投稿して、どのようなお店なのかをイメージしやすくしています。そのほか、ハラルビーフの販売やクラウドファンディング、フランチャイズの募集なども時期によって行っています。

そしてムスリムからの口コミが良いのも「花咲かじいさん」の強みです。このムスリム同士の口コミというのは、最近はハラル認証と同じくらい信頼されている傾向があります。

また、観光客が都内で行きたい場所のランキング上位に渋谷が入っています。場所も駅前にあることから旅行会社のツアーにも参入しやすく、定番コースのスクランブル交差点から109でお買い物をした後にも寄れる利便性の高さもうりです。ムスリムは家族単位で来店されることが多く、お店を気に入ると次回は独自のツアーを組んで訪れます。さらに和食のハラルのメニューを揃え、インドネシアのアルバイトも何名か在籍しているので言葉の不安もありません。ムスリムから高い支持を受けているのも納得ができます。

訪日のムスリムの数は徐々に増えてはいますが、日本はマレーシアのように受け入れる環境が整っていないのでまだまだ「行きにくい国」なのが現状です。また、せっかくハラル対応をしているのに情報開示されていない、もったいない部分もあります。日本人とムスリムにも評価が高い「花咲かじいさん」は、日本のハラルビジネスのモデルになると思いますので是非、参考にしてみてください。

さらにもっと詳しくハラールの専門知識やマーケティング、ハラール認証や海外ハラルビジネス市場までを学びたい方はコチラをご覧ください。

(土岐)

分類から探す


このカテゴリーの記事一覧 最近の投稿 アーカイブ

Copyright © Japan Halal Business Association. All Rights Reserved.