カテゴリー:企業インタビュー
(2017年6月22日)
東京ビックサイトで6月20日、21日の2日間にわたりブライダル産業フェア&国際ホテル旅館フェアが行われた。
会場内はブーケや引き出物、ウェディングドレスのショーなどほぼブライダル一色の雰囲気が漂うなか、ハラル認証のマークがついた鯖の照り焼きや鶏肉のゆずポン酢の試食を出している、若干アウェイな「グローバルキッチン」のブースを発見したので、早速お話しを伺ってきた。
グローバルキッチンは、高齢者施設向けの完全調理済み冷凍食品の製造や配食事業者向けサービスを行っている。
自社のノウハウを生かし無駄なく安心な日本食を訪日ムスリムにも提供したい
「グローバルキッチン」では、もともと高齢者施設向けの完全調理済み冷凍食材を取り扱っていますので、そのノウハウを生かせると考えて今回のハラルの企画をしています。
安心・安全な食事を出すという部分でもハラルと共通する点がありますし、そもそも工場自体でハラルの認証を受けていますので、ハラル以外のものが工場に入ってきたり、混ざる危険性もありません。
全てが完調品なので、生ものの下処理や仕込みも不要となります。

(ハラル認証を取得した個食パックの完全調理済み冷凍食品)
「訪日されたムスリムの方々に、日本食を食べていただきたい」という想いがコンセプトにありますので、ラインナップは和食が中心です。基本的には旅館やホテル、会議などでご利用いただきたいので、取り扱う側にリスクがないように配慮をしています。
たとえば、いつ注文されるか分からないムスリムに特化したメニューよりも、日本食のメニューであれば日本人が食べられるので、在庫をかかえる心配もありません。また、魚も一切れずつパックにしているので、召し上がる分だけ解凍してお楽しみいただけます。

(ホキのおろしあん:産地や原材料名も明記。賞味期限は製造から約1年)
昆布入りなどのお惣菜もありますがムスリムの反応はどうですか?
海藻は意外と好きな方は多いですよ。また、ドバイは赤魚なども食べるので試食会では赤魚のみそ焼きが人気でした。味は濃いめが好きなようです。ムスリムの方々が何を悩むかというと、日本食を食べたいけれどどこで食べたらよいのか分からないということもあります。

(鶏肉と切昆布のだし煮230g 360円)
飲食店や宿泊施設がもっとこういった冷凍食品も上手に取り入れれば、ムスリムの方々への対応もスムーズですし、備えにもなります。

(配膳例:赤魚のみそ焼き・炊き合わせ・さつま芋の甘煮)
現在、29種類の単品惣菜パックは発売開始し、7月下旬には7種類の惣菜セットを販売予定にしていますが、すべて電子レンジと湯せんで簡単に食べることができます。

(惣菜セット:鰆のねぎ塩だれ・スクランブルエッグ・鶏のから揚げ・炊き合わせなど)
ハラル以外の品質管理へのこだわりはありますか?
高齢者向け施設向けにお食事を提供していますので、魚は骨抜きのものを使用しています。皆さまに安心して食べていただけるように食材の産地・二次元原料の産地・調味料や添加物の表示、菌検査、日持ち検査を実施しています。また、クックフリーズ製法で冷凍食品とすることで、過大な合成保存料・着色料を使用しません。
コンビニやスーパーにも似た惣菜はありますが、徹底的に違うところは何ですか?
やはりハラルの調味料を使っている点だと思います。たとえば、いくら認証済みの肉を使ったとしても、調味料でお酒を使用したり付け合わせの具に問題があっては意味がありません。
その点、完全調理済みの冷凍食品を出すことで、なにも気にせずそのまま食べていただくことができるのです。
今後の展望を教えてください
現状はまだ、試している段階で飲食店や宿泊施設向けなので、小売りに対応できていません。インターネットでの販売の状況によっては、小売りの対応も考えていこうと思います。ゆくゆく先は、マレーシア、インドネシアに向けた輸出も視野に入れています。
単品惣菜パックは6月15日に発売開始し、惣菜セットは7月下旬発売予定とのこと。試食をしたがどれも味付けがしっかりとしていて、冷凍とは思えないクオリティだった。赤魚のみそ焼きと脂ののった鯖はとくに美味しくいただくことができた。
価格も鶏のから揚げが4個入りで150円とリーズナブル。5000円以上で送料が無料というサービスも取り扱う業者としても、嬉しいサービスである。
完全調理済み冷凍食品の販売を通じて、旅館やホテル、飲食店などのハラル対応を支援する「ムスリムフレンドリー認証」のサポートも行っている。