<前回からの続き>(株)きちみ製麺さまは白石温麺を使用した、新しい食べ方の提案です。温麺自体はハラールですが、市販のめんつゆはアルコールが入っているものばかりです。しかもハラールのめんつゆを探すのは意外と大変な労力です。というわけで、めんつゆにこだわらない調理方法の工夫で、もっと自由に温麺を味わっていただけるように和風アレンジに挑戦しました。
調理したのは、ハラールのオタフクソースを使用した「焼きそば風温麺」とハラール醤油を使用した焼きうどんならぬ「焼き温麺」です。焼きそばには、野菜とハラールチキンを入れました。
ハラールの肉にムスリマたちのテンションが上がります。白石温麺は普通の素麺より太くて短いので、つゆはねせず子どもからお年寄りまで食べやすい麺です。また、炒めたり煮込んだりするのにも適しています。アレンジした焼きそば風温麺は、ミーゴレンのような親しみやすさも感じたのではないでしょうか。あっという間に完食です。
最後は仙台のお弁当製造・販売を手掛ける(株)こばやしさまの牛たん弁当、ベジタリアン対応の六角弁当です。おそらくこの日、一番の盛り上がりだったと思います。これは牛たんのハラール認証を見せているところですが、説明の時点で皆さんGoodサインをして前のめりです。
まずはベジタリアン対応の六角弁当です。彩り豊かなお弁当に、女性たちは大喜びでした。肉の成分を心配する必要もない為、安心して食べてはいましたが「あたたかいお弁当が良い」「メインはどこ?」といった意見もありました。よく女性はいろんな種類を少しづつ食べたいといいますが、そこは少し日本の感覚とは違うのかもしれません。
試食会のしめは、ハラール牛たん弁当です。ご飯の上には、塩コショウをした牛たんと人参の煮物がのっています。こちらは容器に加熱機能がついていて、紐を引くと5分であたたかいお弁当を食べることができます。ハラールの肉に再びムスリマたちのテンションが一気に上がります。やはり皆さん肉が好きなようです。
よく見ると、たっぷり一味がふってあります。
ムスリムより、「加熱式なのにコスパが素晴らしい。」「肉のハラール認証があるのが嬉しい。」「塩味がこい。」「スプーンが欲しい。」という意見がありました。あたたかいお弁当にハラール認証の牛たんということで、食も進みほぼ完食していました。
今回の試食会に協力していただいたのは、7名の東北大学ムスリム留学生及びそのご家族です。ムスリムに食べていただけるのかドキドキしながらも、楽しい学びの場となりました。たとえムスリムが食べなかったとしてもマイナスにとらえず、数をこなすして独自の正解を見出していくことが大切です。実際にムスリムの反応を聞いて輸出にするのか、国内用にするのかはっきりとつかめたという事業者さまもいらっしゃいました。ムスリム旅行者によりよいおもてなしをするには、宮城県と事業者、地元のムスリムの連携が必須です。今後も皆さんと協力し宮城県「ハラール対応食普及促進事業」を盛り上げていきましょう。次回の試食会は年明けの1月15日です。