トップページ >  ハラルニュース >  第21回ハラルビジネス交流会 開催レポート

第21回ハラルビジネス交流会 開催レポート

2014年9月24日(水)に『第21回ハラルビジネス交流会』を開催いたしました。
毎回のことですが、この交流会にはさまざまな業界に携わる方がご参加いただいています。今回も食品メーカー、石鹸・化粧品メーカー、商社、インバウンド関係など多岐にわたり、それぞれにハラルに対するお考えや取り組みがあります。ぜひ情報交換にお役立ていただければと思います。


今、サウジで何がおきているのか?世界一の原油大国でビジネスの商機はあるのか?現地より緊急レポート


サウジアラビア

講師:株式会社アジアビジネスソリューションズ
    代表取締役 酒井文博氏

株式会社アジアビジネスソリューションズ  代表取締役 酒井文博氏株式会社アジアビジネスソリューションズ 代表取締役 酒井文博氏にご登壇いただきました。
酒井氏は金融業界に長く携わり、国内外のファンドを取り扱っていました。2000年から2001年まで、まだ軍事政権下にあったミャンマーに滞在経験があり、2011年にスーチー女史が解放されて以降、現地でのビジネス展開のサポートを手がけるようになりました。
またサウジアラビアにも進出している企業様とのお仕事からサウジアラビア大使館とのつながりができ、2年前から大使館を通じたビジネスが始まりました。ゆくゆくはアラブ、南米、オーストラリア、アフリカそれぞれに現地法人を設け、トータルで世界進出のサポートを目指しているそうです。

現在、ポストBRICs(※)として注目が集まるのが「MENA」です。Middle East(中東)とNorth Africa(北アフリカ)を指し、約5億人の市場と言われています。サウジアラビアもその中に含まれています。
    ※BRICs:経済発展が著しいブラジル、ロシア、インド、中国、見ないアフリカ共和国の総称

サウジアラビアの実情はあまり知られていません。個人への観光ビザはなく、ビジネスインビテーションがないと入国すらできませんが、いったんビジネスが始まれば長く続き、ざっくばらんな言い方をすると「おいしい国」ということができます。国の経済は原油輸出によって非常に裕福であり、大きなビジネスチャンスになるからです。

建国80年の若い国であり、宗教はほぼイスラム教。国民一人あたりのGDPは約250~60万円ですが、総人口3000万人のうち、約2000万人のサウジ人は国の手厚い保護を受け、高い年収を得ています。国土はGCC(湾岸協力会議)加盟国6か国のうちでも最も大きく、イスラム教の聖地・メッカとメディーナがあることからアラブ世界では自分たちがNo.1だという意識を持っていますが、ドバイ、アブダビのあるUAE(アラブ首長国連邦)の昨今の発展ぶりを苦々しい思いで見ています。

もうひとつ特徴的なのはサウジアラビアの人口の80%が40歳以下で平均年齢は26歳、非常に若い国だということができます。彼らはお金を潤沢に持っていながら、日本のことを何も知りません。何が欲しいかと聞くと挙がるのはブランド品のみ。また肥満の方が多く、糖尿病の増加も大きな問題になっています。以前にビジネスマッチングで日本の化粧品会社が健康食品の紹介をしたところ、かなり強い興味を示していました。ですから需要としては現状でも輸出品目の柱となる自動車などのほか、家電、電子機器、医療・衛生用品、また日本のアニメや漫画、ゲーム、食、ファッションなどが見込まれ、日本食や日本文化への興味も高まっています。

ハラルが当たり前であるため、「ハラル認証」についてはあまり知られておらず、進出において認証が必ず必要ということはないようです。インフラ整備が整っていないため、ロジスティックにも多くのチャンスがあります。「サウダイゼーション」という国の施策があり、進出企業はサウジアラビア人の雇用が義務付けられています。実際のところ、国からの保護や福祉で守られている彼らの多くは基本的にあまり働きません。しかしその分、国からの費用援助があります。

もともとは遊牧の民ですが、都市化が進んだ現在、「もはや砂漠には帰れない」という表現が使われます。都市化により水や電力など社会インフラの拡充が急務であり、鉄道計画などをはじめ、さまざまな開発が進んでいます。中長期的な構想として「脱石油」もテーマとなり、石油依存の脱却、また市場を開放して石油以外の収入を増やす構想などのほか、現在では原子力の建設も始まっています。

現実的な投資対象としては、サウジアラビアは安全な国であるということができます。外資100%で土地の取得もでき、GCC内における工場保持数1位、中近東における直接投資1位で、WTO(世界貿易機関)やG20の加盟国であり、世界の名目GDPでは19位です。経済都市の開発なども行われ、税制の優遇もあります。ビジネスのしやすさでいうと法人税率が非常に低く、不動産登記の手続きも迅速で、建設許可の取得も容易です。

民族的なタブーとして、左手を使わないとか、子どもの頭をなでない、深々とお辞儀をしないなどの習慣があり、現地に行く際は知っておくべきでしょう。値切ることが当たり前になっているため、それを見越して粘り強く交渉することも大事です。したたかな民族性を持つ人々ですが、礼儀を重んじ、宗教心が篤く、非常に家族思いです。

2013年、安倍首相が現地を訪れてサウード皇太子と会談し、二か国間の交流を深めようという話がまとまりました。代議士の協力もあり、今年9月、25社の日本企業が参加して「第一回SMEビジネスマッチングツアー」につながりました。現地でも大きく報道され、行く先々で歓待を受けました。このツアーは今後、5年間は続く予定となっています。
また今後は現地にビジネストレードセンターを設立し、日本の製品や技術、アニメ、伝統工芸などの常設展示スペースを設けて両国の活性化に役立てようという構想もあります。

株式会社アジアビジネスソリューションズ WEBサイト
http://absinc.jp/



ハラル認証取得企業シリーズ


東亜食品工業株式会社 代表取締役社長 井上 位一郎氏東亜食品工業株式会社 代表取締役社長 井上 位一郎氏

国内でハラル認証を取得した企業様にお話を伺うシリーズ企画です。今回は、乾麺でハラル認証取得をされた東亜食品工業株式会社 代表取締役社長 井上 位一郎氏にご登壇いただきました。

兵庫・播州は手延べそうめんで有名です。東亜食品工業は工場生産ですが、食品メーカーとしては食品の安心・安全が何よりも重要であると考えています。そこで平成14年 7月には本社乾麺工場「乾麺HACCP」、平成17年に「ISO22000」、平成24年に「FSSC22000」認証を取得しています。

somen海外輸出では30年前からアメリカ、カナダなどへの輸出実績を持っていました。世界にはさまざまな麺文化がありますが、しかしアジアでもイスラム教徒にはハラルという制約があると知り、もともと乾麺そのものはハラルではありますが、「世界の人々に“喜んで”食べてほしい」という思いからハラル認証取得へとつながりました。

認証団体を決める際には、何社からも話を聞いたといいます。その中で大事にしたのは日本の食品メーカーとして、「おいしい麺を世界の人に食べてほしい」ということ。こうした理念の部分で最も納得できた日本アジアハラル協会から認証を取得することになりました。

団体によって進出できる国の違いもありますし、ビジネス的での違いもありますから、納得できる団体を選ぶことが重要です。2014年4月7日に認証取得しましたが、取得自体が目的ではなく、取ってからどう展開していくかです。現在シンガポールとタイには認証マークを付けた商品を輸出していますが、まだ大きな変化はそれほど無いといいます。ただし国内ではインバウンドや流通関係をはじめ、さまざまなお問い合わせが増えたそうです。

今後、ハラル認証はもっと当たり前になっていくでしょう。食品メーカーとしては、マーケットの広がりは胃袋の数で決まりますから、伸びしろのあるイスラム圏に目を向けることは当然の流れです。課題としては、麺はハラルでも、つけダレがハラルで見つからないことや、食べ方の提案などを含め、発信していくことが大事だと考えています。11月26日・27日に幕張で行われる「JAPAN HALAL EXPO2014」にも出展予定とのことで、「今後さらに広げていきたい」と熱く語っていただきました。

東亜食品工業 WEBサイト
http://www.toafoods.co.jp/



お知らせ


●現在、岡山の吉備中央町で進められているハラル認証と地域活性化を取り組んでいます。農家と米粉メーカー、パンやスイーツのメーカー、支援する行政が一体となり、商品開発と海外展開を目指す試みです。マーケティングによってイスラム教徒が好む甘いスイーツを実際の製品化につなげる実例でもあります。
10月7日にくわしく発表されますが、まさに「クールジャパン」といえる取り組みで、こうした戦略やメッセージを発信していくことが、未来に向けてとても重要です。

●もうひとつは11月8日(土)・9日(日)にシンガポールで行われる「シンガポールマルシェ」の募集告知です。「銀座農園×ハラル・ジャパン協会」がコラボして、現地でテスト販売とマーケティングを開催します。食品・非食品は問いませんが、シンガポールに持っていけるものに限ります。

詳細は当協会受付フォームにて、11月シンガポールテストマーケティング係までご連絡ください。後日詳細資料などPDFでお送りします。
http://www.halal.or.jp/contact/



協会からのお知らせ

次回『第22回ハラールビジネス交流会』は10月28日(火)です。毎回多くの方にご参加いただいております。参加ご希望の方は早めにお申し込みください。
http://www.halal.or.jp/event/ex/







分類から探す


このカテゴリーの記事一覧 最近の投稿 アーカイブ

Copyright © JAPAN FOOD BARRIER-FREE ASSOCIATION. All Right Reserved.